千の風が吹き止まない
やばいやばいやばい!
このモヤモヤの正体が分かってきてしまった!
姿を現す時期が早過ぎるって、漠然と感じていたこと。
ではいつならよかったのという話なら、
それはきっとやはり10周年東京ドームの後だった。
あの子がグループを抜けて事務所も辞めて姿を消してしまってから
ファンは皆それぞれの方法で気持ちを落ち着かせてきた。
4人になったももクロを今まで以上に応援することもひとつだし、
他に好きなものを見つけて離れ忘れることもひとつだ。
きっと彼女も相当の覚悟があっての決断だろうから、
もう追い掛けてはいけないと自分に言い聞かせ
もう逢えないのかもしれないと悲しみ涙して
そんな気持ちを抱えながら、それでも前に進もうとしていた2か月間、
ももクロライブに緑を持ち込むことの是非が話し合われることもあった。
結局運営が何色でもいいよとサジェスチョンを与えてくれたことで
ちょっと落ち着いた矢先の3月15日、彼女は突如SNS上に現れた。
「私は元気に毎日楽しくやってるよー!」
あぁ、そうか。
辞めた後の毎日が楽しいならよかった。
あぁ、そうだった。
辞めて泣いている子はいないのだ。こっちが泣く必要なんか全くなかった。
そしてもう彼女はももクロではないのだ。ももクロの緑はもういないのだ。
だから、
ももクロのライブに緑で行くことはまるで墓参りのようなものという現実に気付かされてしまった。
でも10周年を祝うライブでしょ。
このうちの8年間に彼女がメンバーとしていた歴史は変わらないのだから消すなんて無理だ。山のように部屋に積み重なる緑のグッズがその証だ。
ももクロも4人になってバレイベ、青春ツアーとライブを重ねてきて、
ネットで情報追う限りは新体制でもかなり好評のようで安心するけど自分のこの目で見た訳じゃない。
実際に今のももクロのパフォーマンスを見て、「大丈夫やっていける」と確信して心から安心したい。
それを数多くの、延べ10万人のファンに見せる場が5月の東京ドーム10周年ライブだったんじゃなかったか。
アイドルとしての有安杏果を完全に終わらせるための最後のファンタジーを胸に
ももクロを創り上げてきたメンバーの一人としての彼女の功績を讃え、
堂々と胸を張って緑のユニフォームを纏って供養したかった。
それなのに、芸能界を引退したわけでもなく完全な一般人になった訳でもない、
中途半端な立ち位置の中途半端な彼女の優しさとエゴはそれを許さない。
わざわざフォローしなくても自分がSNSに居る限り何百回もRTされリアルな姿を現し、
ゾンビとなったファンに向け「東京ドームに緑で行ってもそこに私はいませんよ」と嗤うのだ。